暑い

原発が良いとか悪いとかそんなことを言いたいのではないのだが、創エネの観点から、この灼熱の状況でもエアコンが使えませんとか、アラートが出てこないのは凄い事だなと。東北震災の後、50Hzエリアで電力不足に陥り、計画停電などが行われたわけだ。工場が間欠運転状態となり、生産性が著しく低下した惨劇を乗り越えたのだろうと、創エネと送配電、そして電力消費者の省エネ努力の結果であろう。あろうというのは、何も定量的なデータを持っているわけでは無いから、勝手な想像の範疇であるからだ。

海外から多くの観光客が安い日本を求めて大挙して訪れていらっしゃる。安いから取り敢えず行ってみようということで、いらっしゃるのだろう。海外客に併せた価格設定では、日本人は何も食べられないわけだが、それでバランスしているのかどうかは解らないが、オーバーツーリズムという混雑のお話は聞くが、それによるエネルギー不足と言うのは航空機の燃料が不足したこと以外には聞こえない。大型ホテルがフル稼働しても、電力不足には陥らないということだろう。

民生機器の省エネ化は、蛍光灯がLEDライトに置き換わったことだけではなく、エアコンのコンプレッサーなど、乾いた雑巾から泉の如く水があふれ出すように進んでいる。もう、これ以上は無理なのではと思っても、半年経過すると、この部分がこれだけ省エネになりますという、もはや手品も真似できないであろう位の余剰電力があふれ出す。ベース電力の原発を停止させていたとしても、超高効率火力発電によって電力を賄ってしまっている。

勿論、CO2排出量の増加は免れないわけで、国内で産業機器を稼働させるためにはそれなりの巨大な電力が必要になるのは当然のことである。世界から見た日本の技術のプレゼンスが下がっている状況において、巨大な電力を買ってくれないものづくりに費やすことは、地球環境の破壊行為ではないのか。灼熱の夏だからこそ、静かに考えてみたいものだ。