3億キロメートル先のターゲットに接近して着陸させる。無人の状態でそれを実現する。宇宙を進むロボットと言えるだろうか。人工衛星技術はウルトラローテクであるが故に安定していて安心感がある。太陽系誕生時代の、言わば「塵」なのだが、その頃の情報が残っている愉快な存在であることは間違いない。
その頃の塵が集まった状態が、一度の大衝突も経ずに残っているのが火星である。この火星には有人で行くという。こちらは相当にタフな旅になるらしい。想像に難くないのだが、実際に自分が行くわけではないので「らしい」という表現で勘弁して頂こう。一人で山歩きをするレベルではない。大地と別れて数年間、宇宙の中で孤立するのだ。まさに孤立だ。この孤独にどうやって耐えるのだろう。
数年間分の食料等々、全てがそこにあるといえば聞こえが良い?がそれしか無いのだ。そこにあるものしかない。新しい何かに触れるとすればそれは火星だ。火星に到着して終わりではないのだ。帰らないといけない。どちらのモチベーションが高まるだろうか。凄まじいイベントである。
ここまで凄まじい孤独にはなかなか遭遇できない。いや、遭遇したくない。大地があるから何処かに行ける。その意味を感じることが出来ることができるのではないか?地球の上に居る限り、今のところ誰かに会うことが出来る。こんなに有り難いことはない。今日もお出かけだが地球の上だ。なんだかほっとする。そんな気分だ。