北海道に梅雨が来たような、そんな気圧配置で、妙な位置に明確な前線が出来たものだと、地球気候変動もいよいよ進んできたなと天気図を眺める。先週末位から暖気・寒気が明確にぶつかり合い、北方大陸上に長大な前線が発生した。夏の北極海の氷が減り、寒気の発生源が減ると、寒気の渦流が弱まることで、元来、北極上空にパッケージされる寒気が低緯度地方に噴出してくる。この季節は太平洋上の暖気はまだまだ元気だから、南下した寒気と太平洋の暖気がぶつかって、北海道に梅雨もどきをもたらす前線が出来た。地球温暖化の進行を示す一つの指標となろう。
暖気が元気な時に寒気が低緯度地方に降りてくると、朝が寒く昼が暖かい、紅葉にはもってこいの気象条件となる。行楽は行くのが楽しいのか、楽しみに行くのか、語源は知らないが、楽しい雰囲気の単語であることは間違いない。小生もその昔は単独行で山で紅葉、春の花を楽しんだ野人だが、最近は土日なくプレゼン資料などを作っているので、体がなまるばかり。今年は日帰りでどこかに出掛けようかなと、あるいは誰かに引っ張り出されるかもしれない秋を迎えている。なんとなれば紅葉の一つにも出会いたいものだ。
中部地域には木曽駒ケ岳もあり、ロープウェイで一気に天空に連れて行ってくれるサービス満載の山もあり、テントを担いで修行僧になる必要も無く紅葉と秋の星空を楽しむことが出来る。ただ、この秋の星空を狙おうと思うと、これは暖気の山ではしょぼくて、寒さ対策をしながらの、寒気の山の上が宜しい。だから天気図が気になるし、前線が降りきって山頂が寒気に包まれ冷却されきった後が、夜が晴れ渡り、異空間を形成してくれる時を待つ。
海には海の楽しさがあるが、山には山の楽しさがある。人それぞれの楽しみがあり、それを謳歌する人生が宜しい。過労で死ぬような社会や組織は明らかに間違っている。過労はいかんが、人のために頑張る気になる働き方をしたい。それの反動で単独行を続ける。静まり返る冴えた空気の中、独り呼吸の音を聞き、木々のささやきと対話して深山を歩き回った自らの青春が、少し羨ましく思えてきた私であります。