挑戦と忍耐の時代

1995年に遡るのだが、日経連が打ち出した方針が、労働者派遣法の改正に向かい、正規・非正規社員の大いなる差別化が始まった。非正規という云わばバッファとしての方々への対応が劣悪な状況になった。バブル崩壊というお金がお金を生むという幻想から醒めた途端に眼前に広がった日本の在り方である。

失われた平成などと言われるが、平成から就職した小生にしろ、その後輩たちにしろ、そもそもそれ以前に何がどれだけあったのか知らないわけだから、今を原点に前を向いて進んでいくしかないわけだ。過去を取り戻そうなどと、そんな過去など持ち合わせない。小生はそれを幸福なことだと思っている。

エジプト軍に鉄と言う文明で勝ったヒッタイトですら、勝利直後に地球規模で発生した気候変動によってあっという間に国が滅んでしまった。鉄が出来ても食料を確保しなければならないのは当然のことで、鉄剣で他国を侵略できたとしても、その国に農産物を生み出す環境が無ければ、結局は戦をして腹が減ることになるわけで、崩壊するしか無いわけだ。

消費税が2%上がって、予算の目減りが急激になったわけだが、何がどう変わるのかは全く見えない。どこかで誰かが恩恵を受けている筈なのだが、それがちっとも見えてこない。我儘を言いたいわけでは無いが、辛さを分担させるのであれば、少しは見える幸福があっても良いのでは無いか?望むことは間違っているのかもしれないが、トップには思い切ったジャッジが求められる世界環境なのだと思う。挑戦と忍耐が必要だ。