自動車レースに興味がおありの方は既にご存知の通りで、2024年から水素を利用した燃料電池をハイブリッドシステムの一部として導入可能になることになりました。レーシングカーカテゴリで水素燃料電池システムが導入される意味合いは大きい。過去ではターボシステムなどがそれにあたるが、極限状態でテストされるわけで、加工品質が一気に上がる。それがいずれ、一般車両に持ち込まれる。
レースで水素燃料なんて危ないのではないか?という一般民間人だらけだと思うのだが、あの某社の水素タンクが大爆発したというニュースが流れていない事実が物語っているが、そこまで徹底して安全対策を打ってくるということだ。それが300km/h超えの車に搭載されるのだからさらにシビアになるのでしょう。軽量化は当然、相反する安全というところにも踏み込むことになる。
面白いなと思っているのは充填速度。慣れた専門スタッフで3分~5分程度であるが、それは現状のタンクサイズだとそうだというだけで、3分も止まっていたらレースにならない。この解決にどれだけの技術が導入されるのかを楽しみにしている。燃料電池の耐久性、効率も見ものである。
自動車レースが排気ガスと騒音をまき散らすとして、反社会活動とまで言われてしまっているわけだが、水素を全く漏洩させることのないシステムは、それを使う段階において確かにエコである。その水素燃料を創り出す仕組みのエコにも当然取り組むのだろう。製造過程で炭酸ガスをまき散らす現行システムでは話にならない。似非エコからリアルエコに進化していくことを期待しつつ、2024年のレースを楽しみにしたい。