人こそ組織にとって資産である。人的資源ではなく、資産なのだと考えることが重要である。伸び続ける方は言ってみれば株価が上昇し続ける人。その人が居るからこそ、組織としてアウトカムズ、新たなアイデアを生み出す、人的資本に育てていく、育つ環境があること、それを経営に盛り込んでいく。それが見える化されて、人への評価が組織のアウトカムズの向上に繋がって行っているかを共有できる組織であるか。組織の中の固定資産は獲得した瞬間に過去になるわけで、その老化速度をより遅くしていくのが人材によるのだ。
資本である人を依怙贔屓して、その人的資本の情報を開示していくことが重要です。従前、特に我が国は「みんな平等」という考えが染みついて、組織運営が成されてきたわけです。何年かそこに居ると、自然と階級が上がっていく。アンチJob型経営。それはビジョンが無い組織であればそれしか選択肢は無いし、価格競争まっしぐらで、特徴無き森の中の木の如くの組織が出来上がる。摩擦は無いかもしれないけれど、根元まで日が射すことは永遠に無い。
人的ポートフォリオの構築が難しい我が国において、何でそうなんだろうなぁと思うわけだけれど、動的なポートフォリオという概念が弱いと感じるわけですよ。入社面接の時に必要と感じた機能が、その人に紐づけされてしまう。それが退社迄続いてしまう。しかし、固定資産と異なり、人的資産は動的であって、組織にとって良い方向にも悪い方向にも動いていくものですよ。勿論、経営者もどんどんと資本価値を上げていかなければならないわけです。どれだけ突き上げられてもね。
人的資本を事業の構成要素としっかりと捉えて、作業マニュアルに従って動けと言う低次元組織はもう脱却して、世界が求めるものは何であるのか、それを推進する学問は何で、それを加速させる教育組織はどうあるべきで、それを支える者の資本はどのようなダイナミクスを持つべきで、それをどのように支えることが出来るバックヤードとしての資本があるべきか。欧米の必要な人材を必要に応じて採用するということが良いと言っているわけでは無い。しかし、資本は固定なのだという意識はあってはならない。常に学ぶこと。価値の高い資本を依怙贔屓できる。そんな時代なんでしょうね。そう思う。