現状が気に入らないと、環境を否定して自分の思考のみが正しいという心のレールが引かれてしまう。このレールに乗っている人に途中下車して頂くことは極めて困難である。共同研究なんてことになれば、自らの成果を活用しないのは、企業が価値を理解しないからだとなってしまうわけだが、鳥の目で俯瞰すると、自らの存在が極めて小さいものであることに気が付くはずなのだ。今、存在している環境を認めて、そこで自らを最大限活用して頂けるように思考をシフトしなければならない。
難民・移民が自国の仕事を奪うから排除するのだという考えがあるが、同じ能力であれば賃金が安い地域に仕事のほうからそちらに移っていくので、移民の排除など意味を持たない。それがグローバル化と言うことだ。付加価値の高い「自分」であり続けるように、自らのスキルアップを継続していかなければならない。勿論それは、自分自身の努力でなければならず、人が手取り足取りしてくれるものではない。
Web会議が定常的になってきて、実感しているのが「移動時間が無くなった」こと。これはとてつもなく無駄な時間であったことが理解できた。出張・出勤するから何かが出来ないという言い訳はまるで通じない。むしろ、その移動時間の分が新たなWeb会議になっている。議論時間が増えているのだ。Webであってもメールと異なり、思考のぶつかり合いが発生する。これは正に知識の道場であり、知恵の形で身についていく。無意識の価値であって、スキルアップに他ならない。
「何故?」という単語は極めて便利であって、相手にも、そして自らにも問いを発することが出来る。何故自分が正しいと思うか、何故、人は自らを否定するのか。思考のレベルは合っているか?見下すのではない、相手の思考を尊敬するところから物事は始まれば良い。自らの主張は何故正しいか、きちんと因果関係を説明できる証拠があるか。即ち、自分が何故、職場に必要であるかを因果を含めて証明できるかが求められる時代になっているということ。なんと厳しい事か、自らに問い続ける瞬間瞬間の積み重ねである。