ここのところ連続して似たようなお話を聞かせて頂く。投資先が無いというお話と、新規案件が無いというお話。新規案件とは新規事業のことなのだけれどね。これも同じ話があちこちで出るのだけれど、バブル時代の成功体験リーダーが存在している限り、製造業は挑戦しないだろうねと言うこと。某F社さんが各務ヶ原に新しい生産拠点を整備するとかね、現業が活況になりそれを増強するということではなくて、今までとは異なる場で現商材を生かすか、新規の商材を立ち上げるかと言う挑戦のお話が無いということだ。
家電や自動車などのスーパーマスプロダクトで生き延びたお企業において、価値のコア技術となっていない部材製造者が「今ある生産装置で作るものを教えてくれ」という問い合わせがあちこちで飛び交っている。「ありませんよ」とお答えするしか無いのだが、聞く時間があるのなら世界の趨勢を学び、技術レベルを桁違いに上げる必要があることに気が付くだろう。超が付くほどの技術が要らないわけでは無いのだ。工作機械で出来る物品は価格競争に陥るだけなんだけど、商材がゲームチェンジを始めているから、価格競争商材は無用状態となっている。
自動車が完全自動化されれば、個人で所持する必要は無く、シェアするものとなろう。そんなことは無い、活動できる土日は決まっているのだから、やっぱり今までと同じ台数が必要だ!と車両製造企業のバブル期のリーダーは息巻くけれど、製造の現場仕事をロボットとAIが成し遂げ、ほぼほぼ在宅勤務で価値を生み出し対価を得る時代も同時にやってくるわけだ。そうなるとその方々の楽しみ方を提供するサービスが商材となるでしょうし、移動のツールは車で無くとも良いわけだ。買い物なんてドローンで良いしね。
堕落するわけではない。勉強、運動、仕事、休息を怠惰にならない様に思考を巡らせる人だけがお仕事もあるし、生活の糧を獲得できる時代になるのだろう。自動車なんて生産量が千分の一で良くなるのではないか。一方で、空間でそれを制御する半導体やエネルギーとそれを一定時間蓄積するツールか、分散してエネルギーを発生するインフラとそれに繋がるサービスが商材となろう。そんな時代がもうすぐ来るし、根性論の旧態依然のバブル思考者の居場所は無くなろう。そんな時代の株主から黙るべきなのかもしれない。愉快である。